**拒食症
拒食症のパターン
拒食症になる理由としては いくつかのパターンがあげられる。
1.間違ったボディイメージ。
強い痩せ願望と、肥満恐怖からダイエットの度を増し、痩せてしまうと太る事に大きな恐怖を覚える。
それが例え、平均体重から-二0キロ以上少なくてもだ。
二.家庭環境
母親が過保護、父親との関係が乏しい現代で最も多い。
サラリーマン家庭を思い浮かべてくれればいい。
この関係が一般家庭なので、必ず拒食症となるわけではない。
しかし、母親との関係が深くなり、干渉されてる様な思いが出て、食べないと母親が心配し、食べるように強く勧めると、干渉を嫌がり、更に食べなくなるという。
また 食べない事で構って貰えるので、更に食べない様になったりする。
両親の不仲も一因だ。
家族内での問題は子供に大きな影響を及ぼし、結果 食事時に家族が揃わず、揃っても会話のない食事として、存在しざるを得ない状態になる。
3.大人になりたくない思い
拒食者は、大人に近づきたくない、という思いを秘めている場合がある。
食べる事は成熟、成長を伴うので、其れを拒否する事によって、成長したくない、という思いを強く持った結果として、拒食状態になる。
此れは一部の例で、十人いたら十人とも理由は違うはずだ。
どうぞ過信しないで欲しい。
ダイエットしたら必ずこうなる、拒食の原因は必ずダイエット、ではない。
ただ、痩せるのは必ずしも拒食症ということではないので、どうも分かり辛い。
体の方も、必ず大きな障害が見つかりはしないので、時間が経った後にしか分からない。
どっちにしても、其のままで生きられるはずはない。
拒食症は、度を増すと死ぬのだ。
拒食症になり始めてからは長い時間との戦いになる。
拒食症は、其の根底に成熟拒否という心性があると考えられている。
大人になりたくない、成長したくないという潜在的な欲求が、太りたくないという女性に根強い欲求の形をとって現れるものと考えられているわけだ。
拒食症の症状は決して単純ではなく、極端な拒食症状を示す時期と、一転して過食と嘔吐をくり返す時期が交互に現れる場合もある。
拒食症は思春期に現れることが多いが、成人に達してから発症することもある。
口周りに現れる症状はきわめて重い、という経験則は拒食についても該当しる。
食べるという行為は生きていくために必要不可欠のものだ。
一般的なダイエットを経験した人が、「食べてはだめと思ってはいても、空腹感に耐えられなくて」と語ることでもわかるように、身体が栄養補給を求めることに抗することは非常に困難だ。
そうした困難を超えてしまうのが拒食だ。
其の根底にある心因性障害の重さは察せられるだろう。
拒食を治療するには、其の性質上、栄養確保がまず絶対的な条件であり、医療機関との連携が欠かせません。
成熟拒否という心理機制は、大人のモデルへの同一化に障害があることを示唆しる。
女児に現れる拒食であれば、母親に対する葛藤が疑われることになりる。
成人期以降に現れる拒食症の場合には、必ずしも明瞭に成熟拒否の心性が観察されるとは限らない。
しかし其の場合でも、女性としての同一性に何らかの問題が生じていると考えられる。
拒食症の精神的症状
症状はいくつかあるが、最も基本的なものは肥満への恐怖と身体像、ボディイメージの障害だろう。
其の他の症状、例えば隠れ食いや活動性亢進等は、此れら二つの基本的となる症状から派生したものに過ぎないともいわれる。
肥満への恐怖は其の裏返しの心理としての痩せ願望を有しており、肉付きのよい中年女性の体型に嫌悪感を持っていることが往々にしてある。
こうした心理の背景には、母親への敵意と反感が存在するとの考え方や、あるいは昨今のるコミやファッション界のあり方といった社会風潮の影響が存在するとする考え方等がある。
其の他には、幼年期や中性への憧れ、行動の異常としての活動性の亢進、強迫的な傾向等がみられる。
身体像、ボディ・イメージとは其の名の通り、自分の身体について思い描いた心像、イメージのことだ。
拒食症者は痩せていながらも、まだ肥りすぎているという、非現実的で妄想的な考えを抱いている。
非現実性、不合理性に全く気づいていないわけではないが、食物を前にすると、其の現実認識が容易に失われてしまい、肥り過ぎるという恐怖に圧倒されて摂食不能に陥ってしまうと考えられている。
酷くなると、身体像の歪みが訂正不能なまでに強固なものとなってしまい、まさしく妄想としか言いようのない状態になることさえある。
拒食症の場合と同様、過食症でも、肥満恐怖や痩せ願望が、高度に認められる。
其の一方で、過食症の場合、肥満恐怖や痩せ願望と直接関わりなく発症する場合もしばしば見受けられる。
多くの摂食障害者は、淋しさや孤独感、空虚感を訴え、其のため愛情欲求が強く、それが満たされないと激しい行動化を起こし、反抗的、攻撃的になったり、自傷行為に及んでしまったりすることもある。
摂食障害の危険
精神科医がよく使う診断基準としてはアメリカ精神医学会の精神障害診断統計マニュアル(DSM-IVというものがある。
この診断基準では摂食障害を神経性無食欲症、神経性大食症、特定不能の摂食障害に大別される。
さらに、神経性無食欲症は「制限型(むちゃぐい、または排出行動のないもの)」と、「無茶食い/排出型(過食、または排出行動のあるもの)」の二つのタイプに、また神経性大食症 は「排出型(排出による代償行為がみられるもの)」と、「非排出型(代償行為がないか、あっても、絶食、過剰な運動等排出以外の不適切な代償行為しかみられないもの)」の二つのタイプに分けられる。
なお、此処でいう排出行動とは自己誘発性嘔吐や下剤、利尿剤または浣腸の誤った使用等を指す。
摂食障害者はそうでない人に比べて齲歯、いわゆる虫歯になりやすいといわれている。
嘔吐を繰り返すため、胃液の酸により、歯のエナメル質が溶けてしまうのだと考えられている。
中には二十歳代で総入れ歯になってしまった摂食障害者もいるとのことだ。
摂食障害者は一般に栄養状態が不良であるためさらに拍車がかかるのだともいわれる。
栄養状態が悪くなるので、身体のいろいろな部位に影響が出てくる。
おもなものを挙げると、骨に対してはカルシウム含有量が低下するため、骨粗しょう症になり、骨折しやすくなってしまったり、女性では性ホルモン分泌が低下するために卵巣、子宮機能に障害が起こり無月経になりる。
長期間になると子宮の萎縮をきたし将来的には不妊の原因になることもある。
其の他には頭髪・体毛にも影響が現れ、頭髪は抜けて薄くなり、かりに背中や足等の体毛が男性のように濃くなってくる。肝臓の機能が悪化して、GOT、GPT等の検査データが上昇し、腎臓や膵臓の機能も低下する。
拒食を続けることによって、心身に様々な影響が現れる。身体への影響は勿論だが、性格や心理に対しても影響が及ぶとされている。
カロリー不足による極端な痩せのため脳の高次機能が障害されてしまい、柔軟な思考、合理的な思考、客観的な見方、他者とのチームワーク、快適な親密さ、感動する心、等が損なわれてしまうとさえいわれる。
其のかわりに、神経が過敏になり、不安、怒り、緊張等が強くなったり、物事に異常にこだわるようになる。
心の衝動のコントロールが出来なくなり、感情の抑制が難しくなる等の変化が現れることもある。
人によっては収集癖、虚言、盗癖等が症状として出現することもある。
嘔吐とは、強塩酸成分である胃液が逆流する現象であるから、食道や口腔内にも様々な悪影響を及ぼす。
食道炎を併発したり、齲歯になったり、嘔吐をすることによって、カロリーと電解質不足、特にカリウムの低下、に陥り、其のことで空腹感が増し、かえって過食衝動を強めてしまう結果になる。
また、嘔吐の繰り返しにより、唾液腺が刺激され、唾液腺の腫脹、唾液腺炎をきたすことがある。
このような嘔吐による悪影響のなかでも最も注意しなければならないものとして低カリウム血症がある。
嘔吐により胃液が失われることが其の原因だ。
症状としては全身の疲労感、脱力感、さらには心臓の不整脈出現の原因にもなり、最悪の場合には心臓停止、突然死をきたすことさえある。
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